巡礼の道     


               

                          



巡礼の道をゆく

 今回の旅は11日間。(2010.11.12~2010.11.22)
今まで何度かスペインを訪れてはいますが北部にはまだ足をのばしていなかったので、この地とポルトガルを
巡ることを中心に旅の計画を大雑把にたてました。(スペインとポルトガルはイベリア半島の隣どうしの国です)
当初、スペインのマドリッドか、バルセロナへの飛行機を探していましたが、手配した時には、
すでにその切符がなかったのでとりあえずフランス行きの往復をおさえました。
そして、ヨーロッパ圏の格安航空会社を利用してスペインのマドリッドへ飛びました。
スペイン・ポルトガルのレンタカーによる自走旅行に加え、フランス観光も組み込んだ充実した(過酷な?)旅の記録です。

 スペイン北部のガリシア地方にサンティアゴ・デ・コンポステーラという都市があります。
そこは、中世ヨーロッパにおけるエルサレム、ローマと並ぶ三大聖地のひとつとされて、
今でも各国から多くの巡礼者が訪れています。
地図の上部の海岸沿いの道を巡礼の道と呼びます。
ぼくは、まずマドリッドから北上し、海にでたところで西方向に進み、サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指しました。
巡礼とは本来、自分の足で歩くものです。今回は不謹慎ながら自動車でこの道を辿らせていただきました。
(つまり、巡礼の道をいきはしましたが、巡礼ではない)

無計画

 いつものことながら、飛行機とレンタカーだけを予約し、その他はかなり場当たり的な旅です。
全9泊中、事前のホテル予約は2泊だけでした。(ほとんどの宿泊地はその当日に決める)
以下が出発前の宿泊地計画と実際の結果です。
2日目から7日目まではレンタカー自走なので、自由な旅なのですがそれにしても変更が多い・・・。

  出発前計画(宿泊地)  ホテル予約  結果 (宿泊地) フライト 
 1日目(フランス)  パリ(空港近くホテル)  〇 フランス パリ 東京→パリ 
 2日目(スペイン)  サン・セバスチャン  × スペイン ラレド  パリ→マドリッド 
 3日目(スペイン)  サンティアゴ・デ・コンポステーラ
(ホテル予約あり)
 〇 スペイン
サンティアゴ・デ・コンポステーラ
 
 4日目(ポルトガル)  リスボン  × ポルトガル ポルト  
 5日目(ポルトガル)  リスボン  × ポルトガル リスボン  
 6日目(スペイン) アンダルシア地方のどこか  × ポルトガル モンサラシュ   
 7日目(スペイン) アンダルシア地方のどこか  × スペイン マラガ   
 8日目(フランス) パリのどこか  × フランス パリ  マラガ→パリ 
 9日目(フランス) パリのどこか  × フランス パリ   
10日目 帰国機内   パリ→東京


1日目 とりあえずのパリへ


 12:30、スカンジナビア航空にて成田を出発。
出発前はいつも、しばし日本食とお別れなので空港のほとんど寿司の回っていない回転寿司店で家人と
にぎりをつまむことにしている。あじや、いわしがしみじみと・・。

 コペンハーゲンまで約10時間のフライト、そして2時間の待ち時間後、同じ航空会社だが機を乗り換えて
パリのシャルル・ドゴール空港までさらに2時間。
時差が日本より8時間遅いことになり、パリ到着は現地時間の20:15でした。(出発同日)
翌日は同空港から6:40という早い便でスペインのマドリッドに飛ばなくてはならないので、空港近くのホテルを事前に
インターネットで予約しておいた。とにかくこの日は寝るだけ。
 しかし、しばしばやってしまう旅初日の失態をまたしても・・。
どこの国でも空港にはぼったくりタクシーがいるもので、到着ゲートを出るとそのようなあやしげタクシー運転手が
よく声をかけてきます。長い移動時間の疲れもあり、まだ心身ともに旅行に対応しきれていません。
普段であれば絶対に相手にしないのですが、油断してスーツケースを引かせてしまい、促されるまま車に乗ってしまった。
案の定、わずか5キロにも満たないホテルにたどり着くと料金に50ユーロも請求されてしまった。(1ユーロ110円くらい)
トホホ・・旅のはじめこそ、気を引き締めなくては!
 

2日目 フランス~マドリッド~ラレドへ

 4:30に頼んでいたホテルのモーニングコールで目覚める。
5:05のホテルのシャトルバスに乗り込み、暗闇の早朝、再びシャルル・ドゴール空港にむかう。
霧雨が降っていて、寒い。

 今回のテーマのひとつに今、話題の格安航空会社(ロー・コスト・キャリア)を試してみようとの考えがありました。
日本でも最近、この手の格安路線(アジア方面)が参入してきていますが、まあヨーロッパでの路線の充実ぶりと
安さにはびっくりします。日本の比ではありません。
インターネットで最安値を調べてみると、例えばイギリス~フランス間、イタリア~スペイン間など5千円前後の
チケットなどがかなり存在しています。
いわゆるユーロ圏内の様々な国々の行き来がバスに乗るような感覚でしかも格安で可能なのです。
デメリットとしては都市から離れた小さな空港に到着したり、荷物の重量制限が厳しかったりなどが挙げられます。
荷物制限のキツい洗礼は帰路の時に利用した「ライアン・エア」で受けましたが、それは後ほど・・。

 この日は、格安大手で有名な「イージー・ジェット」の利用です。
事前にインターネットで予約すると、すぐにeチケットと呼ばれる搭乗券が発行されるので自宅のプリンタで
プリントアウトしておきます。
予約にはクレジットカードが必要ですがけっこう簡単です。
搭乗時間にも厳しいと聞いていましたが、なんとかスムーズに飛行機に乗ることができました。
いくら自由な旅といってもこの飛行機移動だけは、確実に予定通り遂行しなければならないのでなかなか
緊張する場面でもあります。
もし乗り損なったら次の便まで何時間も待たなくてはならなかったり、最悪次の日まで便がない場合もあります。
特に格安会社では乗客の責任での乗り遅れにはまったく対応せず、払い戻しは当然ないので
新たにチケットを買いなおすということにもなります。

 飛行機は、予定より少し遅れて霧雨の中、7:00に離陸。
その時、外は暗闇だったが飛行機が水平飛行に入り、灰色の分厚い雲の中を抜けると
やがて透き通るような青空と眩しいほどの真っ赤な朝焼けが窓から飛び込んできました。
久しぶりに降り立つ憧れのスペインには、深呼吸したくなるような大空が広がっているのだろうか・・と期待がふくらむ。
腹ペコだったので巨大なサンドイッチとコーヒーを注文するが、もちろん有料。
サンドイッチを平らげ、うつらうつらとしている、あっという間に9:00マドリッドに着陸してしまった。
スーツケースもすぐ出てきて、入国審査もなくすんなりマドリッド・バラハス空港の到着ゲートを意気揚々と通過する。

 ・・・残念ながらスペインの空模様はパリと同じようなものだった。
気を取り直して向かうは予約していたアラモ・レンタカーのカウンターである。
これから、2度目のスペイン爆走旅が始まると思うと胸が高鳴る。
 しかし・・不覚にも正式なバウチャーをプリントアウトしておくのを忘れ、受付作業が手間取ってしまった。
またしても、トホホ・・である。
出発前には完璧だと確信しながらも、ぼくの旅はいつもこんな感じで何か抜けたり、忘れたりすることが1つや、2つある。
まあ、旅程が続行不可能なほどの致命傷ではないのがせめてもの救いだ。
(致命傷の代表格はパスポート忘れ・期限切れ、航空券忘れなどでしょうか)
幸い、予約番号を控えていたのでスタッフがいろいろ手をつくし、調べてくれてなんとかレンタカーを借りることができた。
 ちなみに前回のスペイン・アンダルシア地方爆走旅行では国際的レンタカー会社大手の「ハーツ・レンタカー」を
利用しましたが、今回はインターネットでいろいろ調べた末、海外格安レンタカーサイトを見つけだすことができ、
ほとんど前回の半分くらいのレンタル料で車を調達することができました。
地元のレンタカー会社なので、7日間で2万円ほどでした。(日本のレンタカーって高いんですね)
安いといってもミドルクラスのシトロエンで荷物もたっぷり入り快適でした。
ハンドルをにぎり10:00出発!

 本日の宿泊目的地はスペイン北部のバスク地方にあるサン・セバスチャンである。
美味しいものがいっぱいあるスペインだがその中でも一番の地方とも言われています。
食いしん坊のぼくには無視することなどできない都市でしょう。
予定では、マドリッドから北上し途中ブルゴスで昼食をとり、その後北東に進路をとりサン・セバスチャンに到達する。
地図上の縮尺ではマドリッド→ブルゴスは200キロ、ブルゴス→サン・セバスチャンは200キロと計算した。

 空港からの目的地方向へのジャンクション選択は難しい。とくにバラハス空港はそう思える。
何度も道を間違え30分くらい空港付近を彷徨った。(この時、iPhoneの電波は届かず自分の現在位置がわからなかった)
左ハンドルに慣れない右通行、そして飛ばすスペインの車に圧倒されながらもそれでも何とか
サン・セバスチャン方面の道にのることができた。
スペインの高速道路は、2車線の場合左が追い越し車線になっていているので、これまた日本とは逆。
いやあ、運転しはじめてからしばらくは怖くてなかなかスピードがだせず、トロトロ走ってしまった。

 ブルゴスに13:30到着。
しかし、ここはなかなかの大都市で食事のために、車を停めようにも街中、路駐ばかりでまったく車をおくスペースがない。
お腹がかなり空いていたが、やむなくサン・セバスチャン方面に進路をとりながら郊外にでてレストランを探すことにした。

 幸い、街を離れた場所にレストランを発見することができゆっくり食事をとった。
ここで今日の目的地について同行者と再検討した。
明日の夜はサンティアゴ・デ・コンポステーラのパラドール(ホテル)を予約していたので、必ずそこに行かなくてはならないが
本日予定のサン・セバスチャンからではかなり運転時間が長くなってしまうのではないかと考えた。
それで、残念ながら今回のサン・セバスチャン行きは断念することにし、進路を真北に向けカンタブリア海沿いの街
サンタンデールに目的地を変更することにした。
この街の方が今日のうちに、よりサンティアゴに近づいておけるのだ。

 運転を再開すると午前中、灰色の雲におおわれていた空はすっかり青空へとかわっていた。
18:00、到着したサンタンデールは美しく立派なリゾート地で、多くの観光客がサンセットを楽しみながら浜辺を散歩していた。
ホテルもたくさんあったので、今日の宿泊はここでよいかとも思ったが、もう少し小さくて静かな町もいいかなと考えなおし、
再び東にむけて走りだした。
サンタンデールから50キロの場所のラレドという町で海の見えるホテルを発見。
(トレドではありません。ラレドです!まぎらわしい・・)
4階建てのちょっと古そうだったが、清潔なホテル。受付のおばあちゃんもとてもよい感じの人だったので1泊70ユーロで
お世話になることにした。「COSMOPOL」という名のホテル。
 ホテルから歩いて5分くらいに小さな繁華街があり、レストランもけっこうあったので
一回りしてアタリをつけたバルに入ることにした。
カウンター近くのテーブルに座り、ショーケースの中の数々のタパスからシーフードやポテト料理を注文し、
スペイン1日目の運転を無事に終えられたことに感謝しつつ、ワインをかたむけた。
小さな黒い貝の山盛りにはコルクに刺された極小の釘がそえられていた。
その釘で貝の身を引き出しいただく作法のようだ。ちまちました作業だが美味。
 久しぶりに見るスペインの田舎のバルのなごやかであたたかな雰囲気。
スペインの子供は夜も元気だ。中には10歳くらいの女の子がワイングラス片手に店のコインゲームなどをやっている。
スペインではやはりワインは水のごとしか・・。

スペイン的バル風景

           
小さな釘で身を取り出す   こんなちびちゃんもワイン片手に・・ 禁煙ポスターの前で堂々の喫煙・・ 

 真夜中の惨劇・・                      

 バルから気持ちよくホテルの部屋に帰ったのが22:00か23:00か、はっきり覚えていないが運転の疲れもあり、2人ともすぐに
眠りについてしまったようだ。
そして深夜12:00、家人の絶叫で目を覚ます。何事かと思えばバスルームが水浸しだ。
それは、ぼくが部屋に帰った時、風呂に入ろうとしてバスタブにお湯をはっていることを忘れベットに横になり
そのまま寝てしまったからだった。
少し古いホテルだったからだろうか、バスタブ内上部とバスルームの床にすら排水口はなかったので水は行き場を失い
バスルームの前の部屋の通路まであふれ出ていた。
 えらいこっちゃ!2人でバスルームの床にたまった2~3センチほどの水を、バスタオルにしみ込ませ、トイレに絞って捨て、
しみ込ませ、絞って捨ての繰り返し。
 汗だくの末、なんとか床の水は処理することができ一安心したが部屋のカーペットも濡らしてしまったので、
正直に一階のフロントのスタッフのところに事の次第を伝えに行こうと部屋の扉を開けたら・・さらに絶句・・。
 
 部屋の入り口付近にあったバスルームからもれた水は、扉の下からも外の廊下に流れ出ていた。
その長さ、10メートルくらいはあったろうか?カーペットはぐちょぐちょで明らかな水溜りといえるものも数箇所できていた。
ちょっとした川といってもいい。目の前が真っ白になった・・。
ここまでやってしまったら、今この状況でホテルのスタッフを早急に呼んでくるのが賢明かと思われたが、それにしても・・である。
 あまりにも派手にやってしまったので報告に行くにももう少し体裁を整えなくては、少なくとも水溜りは自力で処理しないと、
とんでもない額の修繕費を請求されるのではないかとの不安が脳裏をよぎり、それから深夜2時間みっちり、
バスタオルしみ込ませ作戦を続行することにした。
今度はしみ込ませ、絞るの作業の間に部屋まで走るの工程が追加された。
 この時ぼくたちは、廊下で大騒ぎしていたわけだがオフシーズンのため同じフロアに他に客がいなかったようで、
幸い誰にも見つかることがなかった。
 
 深夜3:00、廊下のカーペットをなんとか見た目だけは正常時に近づけホテルのスタッフを呼んできた。
深夜のスタッフは30歳代くらいの体の大きな怖そうな男。(ひえ~)
廊下のカーペットは水をたっぷり含み歩けばぐっちゃ、ぐっちゃと音がなっていた。(許して~)
・・・おそらく
同じようなことをやらかす客は時々いるのだろう。
怖そうな男は落ち着いたものだった。他の部屋への水の浸入も調べてもらったがそれも大丈夫だった。
修繕費も請求されず、深夜の労働が報われて事なきをえた。
 こんなにも長時間、バスタオルを絞り続けたのは生まれて初めてだ。


3日目 サンティアゴ・デ・コンポステーラへ

 昨夜の洪水事件であまり眠れなかったが、8:00にホテルの朝食をとり、9:00に、いよいよサンティアゴ目指し出発した。
ラレドはとてものどかでよい町だった。
運転はこの日が一番たいへんだったかと思う。地図上で出発地・ラレドから目的地・サンティアゴまでざっくりの直線でも
500キロ近くある。
ぼくは数年前、スペイン・アンダルシア地方を同じく車で走った時には、とても走りやすい高速道路の連続で例えば
200キロ先の目的地であれば時速100キロで走れば2時間で到着できるという単純計算が可能という印象をもった。
今回もそのような甘い考えでいたのだが、ところがで、ある。
 巡礼の道は海沿いで、山道も多くあり、またかなりスピードを出せる道があったかと思うと突然、小さな町があらわれて
細い迷路のような道を通ったりと、なかなか思い通りの距離がかせげない。
 
 空は曇り模様だったが、西にむけてアクセルを踏んでいるとどんどん青空が広がり、
右手に時折あらわれるカンタブリア海の美しさに感動する。
何度も道に迷いながらも走り続け14:00昼食をとることにした。
場所はアストリア地方の美しい山間の村の小さなレストラン。実はそこがレストランと気づいて車を停めたわけではなかった。
たまたま、風景写真をとるための車を停めるスペースを発見したので、思いつきで休憩もかねて停車しただけだった。
(すれ違う車もほとんどなかったが、山道は細く、いい景色に出会ってもなかなか車を気軽に停めて撮影とはいかなかった)
分厚いメガネをしたおばちゃんが店の前にいたので「やってますか?」と声をかけると、とてもおしゃべり好きのようで
店の中に、どうぞどうぞと招きいれられた。

 今でもそのレストランにたどり着いたのは正規のルートを走っていた上でのことか、道に迷った結果だったのかよくわからない。
小さな村の地元の人と巡礼者のための小さなレストラン。まったく偶然の出会いだ。「Del Rosal」という名の店。

       
  アストリア地方の面白いパン 名物料理の豪快な豚の煮込み  

 ぼくらを店に案内してくれたのは、どうもここの娘さんらしく、そのお父さんとお母さんの3人で切り盛りしているようだ。
と、いってもお父さんは店の隅の客席で昼間からちびちびとビールをやっていて、全く動く気配がない。
時々、こちらに話かけてはくるが、ご高齢のためか、アルコールのためか、よく内容が聞き取れない。
(こちらの語学力があやしいのも、もちろんあるが)
お母さんは、あまり語らないがとてもあたたかい眼差しをもっていて厨房で料理を作っているようだ。
とりわけ、娘さんがよくしゃべる。
料理は、いつもぼくはその土地で一番食べられているものを聞いて、それを注文することにしている。
 ソパ・デ・アホと豚の煮込み料理を注文した。
(ソパはスープ、アホはにんにくの意、つまりにんにくスープのこと)
 大量のフライドポテトの上に豪快に、これまた大量の豚肉、さらに焼きトマトが乗っている料理がやってきた。
素朴な味付けだが、ここらで育った健康的な豚なのだろう。歯ごたえもあり噛むほどにうまい。
かなりの量で後半やや飽きてきたが、お母さん渾身のソウルフード。残すわけにはいかない、完食させていただいた。
 その後、デザート、コーヒーをいただきながら、サンティアゴまでどの道がいいとか、巡礼のことやら、
この地の気候、景気のことなど、ずいぶんとおしゃべりしてしまった。
 あまりの居心地のよさで気づけば、もう2時間近くこの店で過ごしてしまった。
(もう夕方16:00。どうするんだ?記念撮影してる場合かっ。まだ今日の予定消化距離の半分だぞ!)

               

 再び、山道といくつかの大小の町を通過しサンティアゴへの道を急ぐ。この日もiPhoneは使えなかった。
18:00過ぎにはもう日が暮れ、暗くなっている。
果たして大都市のサンティアゴに着いたとしてもホテルを探し出すことができるだろうか?

 19:30やっと、サンティアゴに到着し、大きな幹線道路をおり、街中に入る。
暗闇の中で初めて訪れる場所でカーナビもない状況でホテルにたどり着くことは至難の業だ。
(今までこんなことで何度、つらいめにあったことか・・)
・・しかし、今回は違った。
交通量も多い街中に入っても落ち着いて走り、通行人に2度ほど道を尋ねるだけでほとんど迷わず
巡礼地の目的地でもあるカテドラルの前にあるパラドール(ホテル)にたどり着いた。
まるで何かに導かれるようにスムーズにいったのです。さすが巡礼地のミラクルか。
ふーっ、今日も無事に完走できた!安堵。20:00チェックイン。
 このパラドールはスペインの中でも最高峰とされていて、かつては王立病院だったらしく、建物自体、床、
装飾品のひとつ、ひとつのどれをとっても重厚・豪華、そして歴史の重みを感じる。
目の前にそびえるカテドラルも素晴らしいが見下ろすことのできる中庭もたいへん美しい。
噂通り、最高のパラドールといっていいだろう。
建物内も広大で外出後、自分の部屋に戻るのでさえ、毎回迷った。

           
     

 カテドラルの周りの美しい石畳の細い路地にはバルや土産屋などがたくさんあり、なかなか賑わっている。
フラメンコを路上で踊りながら弾き語りしているおじさんもいて楽しい。
繁華街を一回りして、観光客向けではない地元の人で一番混んでいそうなバルに入った。
カウンターに席をとり、ショーケースの中の新鮮で美しいタパスをいくつか注文した。
どれも、注文を受けてから一手間かけ、温かい状態で呈される。
店内は客の肩がふれあうほどの混雑だったが、よい雰囲気で満足だ。

                     
       

 やっと、サンティエゴ・デ・コンポステーラまでやってきた。
ゆっくりしたいところだが明日はポルトガルにむけて出発だ!

   

旅はポルトガル編へ続く。

参考文献

  スペイン巡礼史  関 哲行

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