スイス、ドイツ、イタリア、フランス、スペイン 一気走り!

  1泊目 チューリッヒ(スイス野宿)
2泊目 アウグスブルク(ドイツ)
3泊目 サヴォーナ(イタリア)
4泊目 アルル(フランス)
5泊目 カダケス(スペイン)折り返し地点
6泊目 カオール(フランス)
7泊目 ブルボンランシー(フランス)
8泊目 チューリッヒ(スイス) 
 

 2012年またしてもアホな旅をしてしまった。
3月末から4月あたまにかけてレンタカーで南ドイツをゆっくり巡る旅のつもりのはずが・・。
ドイツは行くには行ったんですが予定は大幅に変更されイタリア、フランスを経てスペインまで
足をのばす旅となってしまった。
総走行距離は3.000キロを超える行き当たりばったりの旅。


1日目
 成田を12:00出発、トルコのイスタンブールで乗り換えてスイスのチューリッヒに23:00頃、到着。
(到着・帰路出発ともにスイス・チューリッヒ空港利用、ドイツとの国境沿いにあります)
少し予定より遅れての着陸だったが、そのままレンタカーオフィスに直行し、
スムーズに車を借りることができた。
しかし、やっぱり甘かった・・。
ホテルは予約していなかったが、空港近くにチューリッヒ湖もあるので車で走っていれば
ホテルくらい簡単に確保できるだろうと高をくくっていた。
2時間ほど走っただろうか。
時間が時間なだけにたどり着いた数件のホテルの受付スタッフも睡眠中のようで
応答すらなく、とうとう断念。湖畔に車を停め、野宿するはめとなった。
スイスの人はみんなまじめで早く寝てしまうようだ。

2日目
 車中、2,3時間ほどうとうとし(あまり眠れなかった)、まだ夜も明けない6:00前にドイツにむけて出発した。
スイスに限らず、ヨーロッパの高速道路は実に気持ちいい。
大都市のジャンクション付近を除いて車の流れはスムーズで、平均速度は時速110〜150キロくらいの間で
走ることができた。
やがて、青空が広がり、起伏に富んだ美しい雪の峰々が目を楽しませてくれる。
道路には雪はまったくなく感動的かつ快適なドライブコースが続く。
途中、スイスのドライブインで朝食をとっていると警官に免許証の提示を求められ、
国際免許証を見せたがなんだかすんなり返してくれない。
多くの国ではわりと国際免許証の提示だけで簡単にすむものなのだが、
どうやらスイスではオリジナルの免許証も見せなくてはならないらしい。

   
美しいスイスを走る  

 
 国境を越え、11:50にこの日の目的地のひとつであるドイツのフュッセンに到着し腹が減ったので
とりあえずメシ、メシ、ビール、ビールとレストランに突進する。(もちろんノンアルコールで)
ここには、ドイツ・ロマンティック街道のフィナーレを飾るにふさわしいといわれる
ノイシュヴァンシュタイン城がある。
昼食をすませ、胸はずませその城にむかうと、なんと改装中で城全体がシートに覆われ、がっくり。
昨夜は長いフライトとその後の想定外の野宿で疲れ果てていたので、この日は宿をはやめに確保してゆっくり休みたい。
フュッセン近郊にはいくつかの湖が点在しているので、湖畔のどこかのホテルにでも泊まろうと考えていた。
しかし、湖の水位は全体的に低いようで、湖によっては水が干上がっている。
せっかく湖畔のホテルに泊まったのに「部屋の窓を開ければ干上がった湖」ではやはり悲しい。
(ドイツとは相性がよくないのだろうか?)
フュッセンでの宿泊はやめて、東のミュンヘン方面に向かって再びハンドルを握り、
その途中にあったアウグスブルクという街を今夜の寝床にすることに決めた。
夕食はホテルの近くのレストランで、ドイツ料理とヘレスのビール。

3日目
 本場のドイツビールはやはり、重厚な味わいでうまかった。
昼食時に飲んだノンアルコールビールも、かなりレベルが高く、言われなければノンアルコールとは
気づかないほどだった。
実はノンアルコールビールというものを飲んだのはこれが初めてだった。
(後日、帰国後試しに日本のノンアルコールビールを飲んでみたが全然ビールの感じがしなかった)
ドイツのメニューは有名なソーセージをはじめ、肉料理もおいしいものが多い。
・・しかし、である。地図を見ての通り、南ドイツには海はなく料理は肉中心で魚介は望むべくもない。
これは、ぼくにとってはけっこう辛いことだ。
スイスに比べ山もほとんどなく、車窓もやや単調なものとなっていた。
うーむ、海が見たい、魚介が食いたい・・。抑えがたい衝動。
2日目のドイツ・アウグスブルク宿泊、そして3日目の朝の決断は「やっぱ、海の方いこう」
と、いうわけで今日の目的地はあっさりイタリアに変更。

 アウグスブルグからとりあえずの目的地はイタリアの港町・ジェノバまでの630キロ。
ドイツとスイスの国境沿いの町・Gotzisで昼食をとり、長い道のりを急ぐ。
ドイツからひたすら高速道路を南下してやっと17:00、国境を越えてイタリアに入る。
やがて、地中海にぶちあたり、ジェノバが見えてきた。
ジェノバは大都市で交通量もかなりのもので、ホテルを探すのも骨がおれるようなので通り過ぎ、
しばらく夕日に煌く地中海を左手に眺めながらスペイン方面に走り、よさそうなホテルを物色する。
やがてこじんまりした観光地のサヴォーナにたどり着き
海を見渡せる小さなホテル「アルバトロス」に宿を決めた。
夕食はホテルの下にあるレストランで念願の魚介料理をいろいろ注文し、大正解の選択に乾杯。
レストランには海からの潮風が流れ込んできて、とてつもなく気持ちいい。(運転つかれた・・)

   
やっとありつけた!ドイツにはないもの。 本場イタリアのピザ。さすがでした。

4日目
 今日も素晴らしい天気だ。
イタリア式の超シンプル朝食を食べ、9:00フランス方面に向けて出発する。
10:00にあっさりと国境を越えてフランスに侵入した。
そして、やがてモナコだ。

   
 これがかのモナコ、風光明媚。 

 高台からモナコを見下ろしその美しさに思わずため息がでる。
写真を撮りふたたび走り出し11:30カーニュ・シュル・メールという街に降りたち昼食をとる。
今日も目的地ははっきり決めていない。家人と食事しながら、かなりテキトーな行き先の相談をする。
アルルあたりがいいかなあ、ゴッホも住んでたし・・。

 
ゴッホが描いたカフェ 

 宿を探すにはちょうどよい時間の17:30アルルに到着。
美しく賑わいのある中都市といった風情だが大きな駐車場があり比較的、車をとめやすかったのも気にいった。
大通り沿いのいくつかの大きなホテルにあたってみたがどこも満室だった。
街はローヌ川に近く、その細く入り組んだ幾筋かの通りを歩いていると小体のホテル(Hotel de la Muette)を見つけた。
フロントのおばあちゃんはとても感じがよく空室があったので今夜の宿をここに決めた。
荷物を置いて早速、おばあちゃんに教えてもらった近所のフレンチレストランに行く。
ぼくは元来、フランス料理とは自分にとってはちょっと小じゃれ過ぎていて、あまり好かんといった感情を持っていた。
ソースや盛り付けにやたらと凝るより、スペイン料理のように素材をシンプルに扱う方が自分の趣向にあっているのではないかと。
(スペイン料理も十分奥深いのですが、あくまでも総じての印象の比較です)
しかし、さすがフランス料理!このレストランではメインに鴨とビーフを注文したんですが、実に感動的だった。
特に鴨は調理の上品さと鴨本来の野趣(血がしたたるような)が同時に味わえて、
今までで食べた鴨の中で一番のインパクトがあった。
 どこの国でもそうですが、大都市の観光客向けのレストランより、それほど人口密度の高くない二流・三流観光地の
地元の人が日常通うようなレストランなんかの方がだいたい安くてうまい。
今回も再認識した。これだからテキトーな旅は楽しい。

   
 絶品の鴨  こちらはビーフ

5日目
 フランス語はさっぱりわからんが、なんとかなったアルルの一夜。
一昨日のイタリアはちょっと心得のある(かなりあやしい)スペイン語で、イタリア語しかわからないホテルのおばちゃんと
コミュニケーションがとれた。
アルルからスペイン国境まで280キロほど・・。
がんばれば行ける距離だ。スペインでスペイン語を使いたい気持ちもムクムクとあった。
要は8日目に再びチューリッヒに戻れればいいのだ。残り日数と地図上の移動可能距離を確認し、
どこらあたりまで行って引き返さなくてはならないかを計算する。
・・・スペイン国境近くのカダケスあたりが折り返し地点としては妥当だろうとふんだ。
 今のところ一滴も雨にあたっていない。今日も快晴だ。
10:00にチェックアウトして、駐車場までの石畳をスーツケースをガラガラと引っ張りながら、
さてどこへいこうか・・もう心は決まっていた。

 ひたすら、海岸線に沿ってスペインへの高速道路を走っていた。
とても快適なドライブだが、フランスの高速は日本並みにちょこちょこと料金が徴収されるのにはいささか閉口。
日に2,3回は給油もしなくてはならない。後でけっこうクレジットカードの請求がくるだろう。
高速料金、ガソリン代はすべてクレジットカードで対応するが、ちょっと困ったこともあった。
ガソリンスタンドではほとんどがセルフでの給油だが、ある一枚のクレジットカードがスタンドによって使えたり、
使えなかったりした。
念のために持参していた数枚のカードをとっかえひっかえ試してみた。
その中で使えるものはどうやらICチップ(金色の部分)のあるカードであると判明した。
日本ではカード利用の際、ICチップ搭載の有無は気にしたことがなかったが、海外では注意した方がいいだろう。

 12:40、昼食は高速のパーキングの木陰のベンチでサンドイッチをかじりながら、ノンアルコールビール。とても気持ちがいい。
ぼくはふだん、ほとんどビールは飲まないが旅行の時だけはけっこう飲む。
(ビールは旅情を増幅させるという根拠のない仮説を持っている)
15:30、フランス国境を越えとうとうスペインまで来てしまった。
目的地、カダケスまではあと少し、ラスト10キロは半島の先端にあるその町までくねくねと細い山道が続く。

   
   カダケスの夕日

 苦労してたどり着いた町は小さくて白いスペイン的家々が立ち並ぶ美しい町だ。
きれいに整備された町並みには、ひかえめな人々が行き交いホテルやレストランもたくさんある。
車でゆるやかな起伏に富んだ町を流しながら、いい景色が臨めそうなホテルを探した。
17:00、ちょっと宿泊費は高かったが目の前に真っ青な地中海の広がる絶好のロケーションにある「Hotel Playa Sol」と
いうホテルに今夜の宿を決めた。
ぼくは海の見えるスペインのこんなホテルがやっぱり好きだ。
実にのどかな夕暮れの町をいちいち感動しながら散策するが、
心の半分はしかしやっぱりうまそうなレストランはないかと気にかかる。

6日目
 今日も快晴だ。ここスペインのカダケスを折り返し地点として3日間の行程でスイスのチューリッヒ空港を目指す。
スイスへはフランスの海側ではなく内陸部を走っていくつもりだ。
9:00にホテルの朝食をとり10:00にチェックアウトし、スイス方面にむけてカダケスを後にする。

 カダケスからバルセロナまで170キロほど。
ここまで来たら、大好きなサグラダファミリアでも拝んでいきたい気持ちでいっぱいだったが
方角がまったくの逆だったので今回は残念ながらあきらめることにした。
そのかわりといっては何だが、道すがらにフィゲラスに立ち寄ることにした。
一度そこにあるサルバドール・ダリ美術館を見ておきたかったのだ。

 
 ダリ美術館

 12:00にダリ美術館に到着し、駐車場に車を停める。
館内を見たいのはやまやまだが、あまりゆっくりできる時間がない。
1時間ほど周辺の散策をしておみやげを買ったり、カフェで一服などして過ごす。
この日ももちろん目的地は決まっていなかった。フランスを行けるだけ行ってあまり都会ではないのどかな場所が
あればそこで泊まりたいと考えていた。

 フィゲラスを出発し、14:00国境を越え再びフランスにやってきた。
400キロほど走り19:00、「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の一部としても登録されているという
カオールという街にたどり着いた。
市内にはロット川がゆったり流れ、1378年に作られたというヴァラントレ橋が夕暮れの光に照らされて
ゆらゆらとその水面に映しだされていた。
長い歴史を感じる街、そしてかなり、ひなびた印象。こんな街も実は嫌いではない。
川沿いの「La Chartreuse」という古いホテルに泊まることにした。
いちおうは観光地のようだからホテルも数件あったが新しそうなホテルは見当たらなかった。
宿泊費が安かったので夕食はホテルのレストランでフランス料理のコースとワインで少し贅沢をした。

 


 7日目
 朝は少し肌寒いが日中はかなり気温が上がるだろう。今日も完璧な青空だ。
ホテルの朝食をすませ、出発前にカオールの街をしばし散策してみた。
この日はちょうど日曜日で商店はほとんど閉まっていたが、シュロの葉であろうものを胸に持つ多くの人々が
教会にむかって歩いていた。
人の流れにのって教会にいってみると、生の管弦楽のアンサンブルと歌声の中でミサが行われていた。
堂内に反響した賛美歌が上方から舞い降りてきて美しく、しばらくその場を去りがたかった。
10:00 にカオールを後にする。 

 

 カオールからスイスのチューリッヒまでまだ900キロもある。
11:30、陶器の生産で知られるリモージュに到着。何か買い物とも思ったが日曜日のためほとんどの店がやっていなかった。
大きな街だが閑散としてる。昼食時だったのでレストランを探すも開いているレストランがあまりない。
何とか、その後レストランを見つけ食事をしたが、味はイマイチだった。
フランスだからといってどこでもおいしいとは限らないわけだ。
 この日は高速ではなくフランスの田舎道も走ってみた。
しばらくすると自分がブルゴーニュ地方を走っていることに気づいた。
普段、ぼくははスペイン、南米、南アフリカなどのワインを飲むことが多く、あまりフランスワインは詳しくはないが
それでもブルゴーニュワインといえば有名でよく耳にする。
人の身長の半分くらいの高さの葡萄の木が育つ丘陵が果てしなく続く。

   
 果てない葡萄畑  今日の宿泊地ブルボンランシー

 田舎道も含めて走ったこの日の移動距離は400キロ。
この時期のヨーロッパはかなり日が長く20:00でもけっこう明るい。
しかし、さすが20:00以降に知らない土地のホテルを探すのは困難であろうから
遅くともこれくらいの時間には宿を確保しておきたかった。
なかなかホテルがある適当な町が見つからなかったが、この400キロ地点にあった
ブルボンランシーという小さな田舎町のホテルに暗くなる前になんとかすべりこむことができた。
ホテルは数件あったがオフシーズンらしくほとんどのホテルが門を閉ざしていたが
この「All Seasons」というホテル一軒だけが営業していて助かった。
新しいホテルで部屋のベランダからは小さな人造湖のようなものが見えた。

8日目
 ここフランスのブルボンランシーから最終目的地であるスイスのチューリッヒまでいよいよあと500キロだ。
明日は日本にむけて11:30の便に乗らなくてはならないので、今夜はチューリッヒ空港にできるだけ近いホテルに
宿泊しようと考えていた。
ホテルでの朝食を終え、9:00に出発する。今日も天気は上々だ。
田舎道から高速道路にきりかえ、230キロほど走り11:50、ブザンソンに辿りついた。
以前、指揮者の小澤征爾の本で読んだ記憶がありブザンソン国際指揮者コンクールの開かれる場所だ。
ドゥー川の流れる学生や観光客で賑わう美しい街。

   
 ブザンソンの昼下がり  

 18:00、スイスのチューリッヒにやっとたどり着いた。
空港近くのホテルは込み合うかもしれないので、この日だけは移動中にiPadから予約しておいた。
スイスはホテルもレストランも他ユーロ圏の国々と比べてはかなり割高になっている。
スイスを旅するには財布の中身を気にしながらになりそうだ。

 今回も、気ままに走った旅だったが、予定になかったスペインにまで一気走りし、疲れはしたが事故もなく
またひとつ印象深い旅の記憶を増やすことができた。

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