4度の和声


 4度音程で積み重ねる和音を勉強します。
4度の音程とは例えばドからファの距離のことをいいます。
(音程はドとレを2度、ドとミを3度というようにあらわします)
4度には以下のように2種類あります。
完全4度は全音2つと半音1つ分の長さで、増4度は全音3つ分の長さになります。


譜例1


 伴奏で使う和声は3度堆積(ド・ミ・ソとかレ・ファ・ラなど)が一般的です。
4度堆積の和声は伴奏で使うには、やや注意が必要ですが、とても魅力的な響きを持っているので
概念を理解して、使えるようにしておきたい。

ドの音の上に1番近いファを重ねて弾いてみるとフワッとした印象をうける。
ドの上にミや、ソを乗せてみるといかにもドに重心があるように聴こえて安定感があるのに対して
このファを乗せた4度の和声はなんだか、どっちの音が主役なのかわからない浮遊感があるのです。
4度和声の使用例を紹介していきます。


譜例2



譜例2はマイルス・デイビスの「So What」でビル・エバンスの弾いたピアノバッキングパターンですが
4度和声が使用されていて、気持ちいい。
この曲はドリアンスケールの曲としても有名。

譜例3


譜例3はドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」のエンディング。(オリジナルキーはG♭)
赤い丸のついたところが4度和声。上昇していくメロディーに4度の音が彩られ美しい。

譜例4



譜例4はヴィラ・ロボスのブラジル民謡組曲の「マズルカ・ショーロ」のエンディング。
1小節目から7小節目まで一貫して4度和声のアルペジオが連続し美しい。


譜例5


譜例5は武満徹さんがギターのためにアレンジした「Over The Rainbow」のAメロの終わりの部分。
下から4度・3度・4度と堆積した和音が同じフォームで横ずれで弾けてしまう。
4度堆積は美しく、かつギター向き(押さえ方が簡単)な和声でもある左証。


 ここで、Cメジャースケール上に4声体による4度堆積を書き出してみました。(譜例6)
和声が明るいか、暗いかを決定する重要な要素である主音からの3度音程は皆無。
したがって、3度堆積和声では得ることのできない浮遊感漂う独特なサウンドとなります。
注意を払えば、既成メロディーの伴奏でも使えるし、即興時の伴奏でも大いに役立つでしょう。
※P4は完全(Perfect)4度、A4は増(Augment)4度の意味。


譜例6



 これまで、美しい4度和声の使用例や、その根拠を簡単に紹介してきました。
・・・しかし、実は4度和声にはもうひとつの隠された顔があったのです。


譜例7


譜例7はバルトークのピアノ練習曲集ミクロコスモスの131番の出だし。
左手も右手も完全4度堆積。これは美しいというより、なかなかの迫力。


譜例8



譜例8はディープパープルの「Smoke On The Water」の超有名なリフ。
4度堆積の和声でできていますが、エレキギターにディストーション(音を歪ませる機械)をかけると、
美しさとはかけ離れた重厚で凶悪な雰囲気になってしまう。
暴力的なサウンドではありますが、カッコいい・・・。
弾いてみるとわかりますが、この4度堆積は同一ポジションに音が縦に揃っているので、
ギターでは抑える左手は指1本で足りてしまうのです。(超楽チン)
ロックのリフでは4度堆積でつくったリフが本当に多く存在します。
理論的につくったというより、ギターで遊んでいたら”偶然に見つけたカッコいい響き"
だったんでしょう。