Harmonic Minor Scale  ハーモニック・マイナースケール1

ハーモニック・マイナースケールがどのような状況の時に使用されるのかを考えていきます。
譜例1がCハーモニック・マイナースケールです。1、2、♭3、4、5、♭6、7という構成音であり、
ナチュラル・マイナースケールとの違いは7番目の音です。
ナチュラル・マイナーが♭7であるのに対して、ハーモニック・マイナーはナチュラル7です。


譜例1

音源1 CHarmonic Minor Scaleの2オクターブ順次上昇下降

図1 6弦から始まるHarmonic Minor Scale

譜例2 Harmonic Minor Scaleのダイアトニックコード


どのような状況で使うか


 1
、上記ダイアトニックコードを任意で連結したコード進行上で。(当然といえば当然)
 
 、Cmコード上で。(この場合、ド、ミ♭、ソの3声体であることが条件。Cm7では♭7とナチュラル7がぶつかるから)
 
 、マイナー系ツー・ファイブ進行上で。


 とりわけジャズ理論では、3のマイナー系ツー・ファイブで使われるハーモニック・マイナースケールが重要です。
(クラシックでも)


ツー・ファイブとは

 ツー・ファイブとはジャズでたいへんよく使われるコード進行のことです。
あるダイアトニックコード上のU→X→Tであり、例えばkeyCであればDm7→G7→CM7、
keyCmであればDm7(♭5)→G7→Cm7となります。
ここではkeyをCmとした場合のDm7(♭5)→G7→Cm7の進行時での
ハーモニック・マイナースケールの使用例を説明します。

 通常、マイナーkeyといえば、ジャズ、クラシック、ロックでもほとんど
Natural Minor Scale(ナチュラル・マイナー・スケール)を基本として考えます。

譜例3 Natural Minor Scale

 5番目の音の上にできるコードをドミナントコードといいます。
ドミナントはトニック(主和音である1番目の音の上にできるコード)に
必ず連結(完全終止)されると和声学でいわれています。
ナチュラル・マイナースケールのドミナントは譜例4のように通常であればGm7ができるのですが、
慣例的にこのコードはG7に変換されることが圧倒的に多いです。
フラットされた7thよりもナチュラルの7thの方が、主音であるドに全音ではなく半音と近くなるので、
ドミナントのトニックへの帰属性がより増すからです。

譜例4

 この変化したナチュラル7の音が、ハーモニック・マイナースケールの特徴音になるというわけです。
つまり・・keyCmであればドミナントであるG7の時にCハーモニック・マイナースケールを弾くということです。


なんと呼ぶべきか・・?どうすれば間違いなく使えるか。

 バークリー理論ではこの場合のハーモニック・マイナースケールを
Harmonic Minor Perfect 5 below(ハーモニック・マイナー・パーフェクトファイブ・ビロウ)などと
長ったらしく呼びます。
keyCmのドミナントであるるG7に対して完全5度下から始まるのがCHarmonic Minor Scaleだからです。
個人的にはやっぱりこれはややこしいネーミングに思える。
しかし、だからといって曖昧に覚えていてG7の時にGHarmonic Minor Scaleを弾いてしまったりしたらたいへんだ。
(ジャズ初心者がよくやる間違い)

 ぼくは、わかりやすくてシンプルなものがいいと考え、マイナー系ドミナントには
「解決先のHarmonic Minor Scale」
記憶することにしました。(ドミナントがトニックに解決するから)
G7であればCHarmonic Minor Scale、D7であればGHarmonic Minor Scaleといったように。かんたんですね!
前提としてトニック(主和音)とドミナント(属和音)の関係をしっかり把握しておくことが必要です。

フレーズ


譜例5 G7コード上でCHarmonic Minor Scaleを使用

音源2

譜例6 Dm7(♭5)、G7をひとつのコードとしてとらえ、
Dm7(♭5)のノンコードトーンであるがBの音から始めたフレーズ

音源3