コード進行の終止パターン

基礎事項

 コード進行のパターン(カデンツと言ったりもする)を、大きく分類すると次の3種になりなす。

第1型・・・・・T(トニック)→D(ドミナント)→T(トニック) 
keyCであればC→G→C

第2型・・・・・T(トニック)→S(サブドミナント)→D(ドミナント)→T(トニック) 
keyCであればC→F→G→C

第3型・・・・・T(トニック)→S(サブドミナント)→T(トニック) 
keyCであればC→F→C
 
 これらのコードが連なって進行していくことが、音楽におけるストーリー展開の根幹となります。
T、S、D(主要三和音)とはそれぞれ、
トニック=音階の1番目上にできる主和音、
サブドミナント=音階の4番目上にできる下属和音、
ドミナント=音階の5番目上にできる属和音のことです。

(コードの基本に自信がなかったらダイアトニックコードのページをご覧ください)

 大きなストーリーは小さなエピソードの積み重ねからなります。
音楽の場合、その小さなエピソード(いわゆるAメロとかBメロとか呼ばれる単位)には、
8小節
という長さがもっとも多いでしょう。
石桁真礼生さんの楽式論によれば
最小の独立的楽想を持つ2小節を動機(モチーフ)
動機(モチーフ)が2つ連結された4小節を小楽節
小楽節が2つ連結された8小節を大楽節と呼びます。
もちろん、例外もあります。
例えば、ビートルズの「イエスタディ」はAメロが7小節でできている。(譜例1)
言われてみないと気づかないほど自然で美しい曲ですが、
小節単位の観点からは奇数型をとっているのでレアなケースといえるでしょう。


譜例1



終止パターン


 コード進行には代表的な4つの終止パターンがあります。

1.完全終止 D→T (keyCであればG→C)

2.偽終止  D→Ⅵ (keyCであればG→Am)

3.半終止  →D  (keyCであれば→G)

4.変終止  S→T (KeyCであればF→C)


完全終止・偽終止

 譜例2が完全終止と偽終止の使用例です。
ソルのエチュードOp.6のNo.8の26小節目からの抜粋です。
この曲は、様々なKeyに一時転調していますが、本来のKeyがCであることにより
分析しやすくなっているので古典期の和声進行の特徴を学ぶには格好の素材です。
矢印はセブンス(ドミナント)コードが、解決すべき一時転調先の主和音に
進行(完全終止)していることをあらわしてします。
しかし、抜粋部分5小節目の3拍目から次の小節にかけての一箇所だけ偽終止がみられます。
本来、G7はCに解決しますが、その代理和音であるAmに解決していると解釈できるからです。
この曲の詳細はこちらのページ。 

譜例2

半終止


 譜例3が半終止の使用例です。
カルカッシ25のエチュードの6番の冒頭8小節。
これもKeyはCですが、8小節目はKeyGにひとまず(一時的に)着地した感があります。
しかし、半終止の名の通り、ここが本当の終止ではなく
この先にストーリーが展開されていくのだろうと予想できる。


譜例3

変格終止


 変格終止は讃美歌で使われることが多いのでアーメン終止ともいわれています。
譜例4はルネサンス期のドイツの作曲家ノイジードラー(1508~1563)のネーデルランド舞曲。
KeyはAですが終結する最後の8小節目の直前にはドミナントであるEコードではなく、
サブドミナントのDが配置されているので変格終止といえる。


譜例4

 変格終止でもうひとつ有名なものといえばビートルズのレット・イット・ビー(譜例5)のイントロ。
イントロのコードパターンがAメロでもそのまま使用されますが、
KeyCにおいてF→Cというコード進行で終止しているので、これも変格終止。


譜例5